国際経営学科

グローバル時代の企業経営を考える

「国際経営」というと,私たちの身の回りからは遠いものに思えるかもしれません。しかしそのようなことはありません。たとえば,携帯音楽プレーヤーをお持ちの方は多いと思いますが,そのほとんどはソニーの「ウォークマン」かアップルの「iPod」でしょう。アップルはアメリカの会社であり,その商品が私たちの手元にふつうにある。ということは,アップルは遠く離れた日本で経営活動を行っていて,それが成果をあげているのです。一方で,そもそも「いつでもどこでも気軽に好きな音楽を楽しめる」のを最初に実現したのはソニーであり,その商品が「ウォークマン」でした。以来,「ウォークマン」はソニーを代表するブランドとして世界的に売れていきました。これは,日本の会社が世界を相手に経営活動を行っていて,それが成果をあげてきた,ということです。

国際経営は,いまや私たちと密接に関わっているのです。「国際経営学科」は,こうした企業活動の国際化を対象にしており,3つの知識を習得することを目的に,カリキュラムを編成しています。第1は「国際経営に関する基礎的・専門的知識」、第2は「各国の経営制度やビジネス行動に関する専門的知識」、第3は「異文化コミュニケーションとその社会文化的な背景についての知識・技能」です。

これらに関連する科目を体系的に学び、国際経営の基礎から知識を積み上げることによって、海外でビジネスを行うに必要な専門的知識やスキルを身につけていきます。

開講科目例 I:「国際マーケティング論Ⅰ・Ⅱ」

日本の国内市場と海外市場とを明確に二分して論じることが難しくなっているなか,この講義では,グローバルな視点をベースとしつつ,顧客とライバルに対する働きかけである「マーケティング」の実践を考えます。前半は,顧客に対する働きかけの側面にフォーカスを合わせ,いかに顧客の情報を集め,商品やサービスに結びつけるか,その発想と実践法を知ってもらうことを目的とします。後半は,いかにライバルにマネされない状況をつくるか,競争への対応を考えます。

開講科目例 II:「国際人事管理論Ⅰ・Ⅱ」

この授業は,国によって企業の人事管理がどのように異なっているのか,企業における人事管理の国際化について,基礎的理解を深めます。進め方としては,日本・アメリカ・ドイツの事例をビデオで見たり,人事管理のスペシャリストをゲストスピーカーに招いて話を聞くというスタイルをとっています。一方的な講義でなく,毎回質問を出し,学生諸君との意見のやりとりによる参加型講義を行っています。

開講科目例 III:「比較技術経営論Ⅰ・Ⅱ」

企業は,技術や製品を戦略的・組織的に開発・管理し,市場や技術の不確実性に対処していかなければなりません。前半では,製品開発の仕組みと意義について,後半では,イノベーションのマネジメントについて学習します。理論の紹介と実例を見ることで,技術経営に関する基礎的な知識の習得だけでなく,経営学の考え方を身につけることを目的とします。