経営システム科学科

科学的な企業経営を追求する

1年次から、「統計学」「数学」などの教養教育科目に加えて、ミクロ経済学の基礎を準備する専門科目「ビジネス・エコノミクス」、経営科学への入門「経営科学総論」、情報マネジメントの基礎となる「経営情報論」を履修できます。また、入門的なビジネスゲームを交えて、いろいろな経営意思決定を疑似体験し、システマティックな戦略分析とグループ意思決定の意義や困難さについて習得できる「グループ思考システム論」も履修できます。これらの基礎的な科目をベースとし、2年次以降はオペレーションズ・リサーチ、意思決定、生産システム、経営情報システム、マーケティング、ファイナンスなどから各自興味のあるテーマを選択して履修します。小グループに分かれてコンピュータ上の仮想会社を経営し、設定された目標に向かって競い合うビジネスゲームは、ビジネスを仮想体験しながら部品調達、生産、販売、投資、新事業開発といった企業経営の基本を学ぶことができます。2年次後期に基礎演習があり、3・4年次にはそれに続く形でゼミナールが行われ、自分の興味があるテーマをより深く掘り下げて勉強することになります。厳しさを増す経営環境の中で、従来の「日本的な」経営手法だけではグローバリゼーションの荒波を乗り切ることには限界があります。クールなマインドで、科学的な企業経営を追求する経営システム科学は、今後ますますその重要性を高めることになると思われます。

開講科目例:生産システム論

自動車、工作機械、電子機器をはじめ、わが国の工業製品は品質が高く、国際市場において高い競争力を維持してきました。 我が国の製造企業における『ものづくり』に対する考え方と現場を中心とした多様な取り組みを紹介します。海外(特に米国や欧州)企業との比較を通してその長所と今後の課題を考えます。工場見学も予定しています。

開講科目例:マーケティング論

消費者に商品を購入してもらいやすい仕組みを作る企業の活動のことを「マーケティング」と呼びます。マーケティング論の講義では、企業のマーケティング活動に含まれる商品開発、広告・プロモーション開発、価格設定、流通設計の考え方について学びます。このようなマーケティング活動に関する意志決定は今日、消費者調査などのデータに基づいて行われる場合が多くなっています。マーケティング論ではこのようなデータを用いたマーケティング上の意志決定についても学びます。また、工学に物理学や化学といった理論的基盤があるように、マーケティングには消費者行動理論と呼ばれる消費者の心理や行動に関する理論的基盤があります。マーケティング論では、この消費者行動理論についても体系的に学びます。

開講科目例:経営財務論

企業は株主等の資金提供者からの資金提供の上に成立しています。当然ながら企業は資金提供者と上手につきあうことが求められます。株式を発行して資金を集めるときに何が重要か、事業から得られた利益をどのように資金提供者に還元していくかといった意思決定問題を考えていかなくてはいけません。経営財務論ではこのような意思決定問題を実例も交えながら考察します。もちろん株価水準や債券利回りの決定といった金融市場における価格や利回りの決定に対する理解も大事な要素で、これらについても学んでいきます。